2011年5月27日金曜日

林檎ヌード



最初に、その大型ポスターを目にしたのは、確か岡田屋MORESであっただろうか。
正面を向き、股間に赤いリンゴを持って立ち尽くす麻田奈美の等身大ほどの大きなポスターは、当時、衝撃的だった。
平凡パンチなどの男性誌に特集されたことでオナペットとしても有名になり、このポスターは独身男性の部屋に掲げられることとなる。
林檎ヌードはオナペットを超えて、一枚の写真としても、あの時代を反映したものといえるのではないだろうか。
ヌードでありながら、この青柳陽一氏の撮られたという写真には、いやらしさはなく股間に林檎という独特の演出にも関わらず自然体の少女が投影されていた。
おそらくビニ本モデルがやっても何も発しなかったであろう鮮烈なオーラに満ちていたのは、Dカップと言われる当時、若く豊満ではじけそうな彼女の肉体に性的欲望の対象としての自覚はなく、肥満とのギリギリの線で完熟林檎直前であったからであろうと思える。
また、日本では陰毛の映った写真の公開が許されない時代であったことも、こうした歴史的所産を生んだ社会的背景ともいえるだろう。
それまで股間を隠すものと言えば、イチジクの葉というのが世界の常識であったし、それは人類の創生に近い時代からの歴史的に刷り込まれたもので、だれもそれをリンゴで置き換えようとはしてこなかったように思う。
まさにアップルの衝撃であった。

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