2011年5月3日火曜日

スーちゃんとキャンディーズ





人気絶頂のときに引退する。それはビジネスとして興行的には許されないことかも知れない。
まだまだ稼げる商品価値のあるうちに事務所がみすみす金づるを手放すようなことはしないものだ。普通は!
ところが本人たちの希望で、このキャンディーズは人気絶頂のときに、普通の女の子に戻りたいと、さよならコンサートをしてグループとしては解散してしまったのだから普通じゃない!
いまさら普通の女の子に戻りたいなら、最初から普通の女の子でいろよ、という考え方もあるけれど、一度、桧舞台に立ったからこそ失った普通の女の子の部分も取り戻したい、そう願う気持ちもオジサンとしては分らなくはない。
逆説的ではあるが、そんな普通なことを考える普通の女の子たちだったからこそ、老若男女を問わず国民的アイドルとしてキャンディーズは昭和の一時代、一瞬の流れ星のようにスターダムを駆け抜けていったのだろう。
当時、歌手としてだけでなく、ドリフのコントや体操などでも活躍していたのを覚えている。
そして、そのメンバーの一人、スーちゃんが先日、乳がんで亡くなった。
彼女はキャンディーズを辞めてから、いったん普通の女の子になるものの、心機一転、女優業で活躍、NHKの人気連続ドラマ”ちゅらさん”においても国仲涼子演じる古波蔵恵里の母親役も演じた。
彼女にとっては、アイドルから役者となり、病との闘いという普通ではない境遇の中で、普通を演じることで役者への道を大成させていったのかも知れない。
普通を求めながら、結局、普通ではない姿、それが芸能界におけるキャンディーズ・イズムだったのであろう。


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