2011年5月15日日曜日

ストリップ劇場


まだ家庭用ビデオデッキが普及せず、アダルトビデオなどもなかった時代、彼女の居ない童貞男にとって家族以外の動く女性の裸を見るチャンスは日常的ではなかったが、18歳を過ぎれば、ストリップ劇場で生の裸を見ることができた。
それはたいてい駅からはちょっと離れた人目につきにくい路地などに、存在していた。
地域によっては駅前商店から少し距離をおき客も車で来るために駐車場つきのところもあった。
顔の見えない入り口で入場料¥5000程度を払い、中に入ると暗がりの中のスポットライトに照らされた舞台の上で彼女たちは肌を惜しげもなくさらしていた。
ビートのきいた曲をバックに舞い、脱ぎ、肢体を露にしてゆく様を食い入るように見つめ、かぶりつきにとりついた男達は目を輝かせながら花園を覗き込んでいた。
そんな意味では生の女体を拝む最初の機会がストリップ劇場であった男性は多いのではないだろうか。
何人かの踊り子さんが順番に踊りからラストのご開帳まで順を追ってステージを繰り広げてゆくのだが、踊り子さんによっては、お客さんを舞台上に上げ、本番をする生板ショーと呼ばれるステージを行っていた。こうして当時、18歳の童貞君でも映像メディアでは見ることの出来ない本番行為を目の当たりにすることが出来たわけで、インターネットで見るより実体験に近い女を知っていたと言う見方もできるのかも知れない。
大体、踊り子さんは10名程度で順番に登場するが綺麗なお姉さんは1人、2人というのが相場で、ひいきの子が終わってしまうと、もう一周見るか、そろそろ帰るかと悩むのであった。
こうしたストリップ劇場はアダルトビデオの普及にともない、次々に閉館となっていった、観光温泉街などに残っていたものがなくなった時点で最終的に消滅したのではないかと思うが、無料ポルノが氾濫する時代であってもライヴという意義は捨てがたく守るべき希少な風俗文化なのではないだろうか。
 
 

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