2011年4月24日日曜日

三ツ矢サイダー




少年時代、親族が集まると大人たちはビールを飲み、子供たちはこのサイダーを楽しみにしていたものだった。
日ごろ、親からはのどが渇いたら、水道の水を飲めと言われていた当時の少年たちにとって、サイダーはハレの日にだけ飲める、心ときめく飲み物だったのだ。
空になったビンや王冠すらも貴重で捨てがたい存在で集めたりしていた。だから、このビンを見ると少年時代のせつない思い出が蘇ってくるのである。
三ツ矢サイダーは今も存在するし、時代が変わっても大きくその味を変えてはいないと思うが、筆者にとってのサイダーのイメージは断じて、あのペットボトルに入った1.5リットルとかの今のサイダーではなく、水道の水を飲み、せいぜい良くても麦茶に砂糖を入れて飲むくらいのことしか許されなかった少年時代、羨望の眼差しで見つめた赤い三ツ矢のマークであったり、薄緑色をしたビンに入ったそれなのである。
今じゃ、水道の水は飲んだら危険だから、サイダーでも飲みなさい親は言いそうです。かくも変わるものなのですね。
 
 


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