2011年6月10日金曜日

アグネスラムとカルマンギア

 

アグネスラムの魅力は、ハワイ出身というエキゾチックな生い立ちはありながら、日本人にとっては白人のように抵抗感のないオリエンタルな顔立ちと、大きく丸みをもったたわわなオッパイ。
そして小さいビキニに包まれた、これまた大きく丸みを帯びたヒップにつながってゆく、くびれた曲線であったことは容易に理解される。
昭和の時代、体形であっても性格であっても、女性に求められたものは、こうした適度な丸みだったのではないだろうかと思う。
そして、もうひとつ流行において丸くなったり、直線的に角ばったりしているものにクルマのデザインがある。
戦後、ビートル、ルノー、ヒルマンといった丸い外車が入ってきて、これらに範を得た初期の国産車である、てんとう虫や310のブルーバード、観音開きのクラウンなど、みな二次曲面をもつ丸い姿をしていた。
しかし、その後ブルーバード510のスーパーソニックラインに代表されるように、丸みを帯びた原始の時代から直線的に変化したものが、よりモダンと感じる感性を我々は持っていった、あるいは植え付けられていったように思う。
それは道路が整備されつつある時代とともに世の中に求められたスピード感、高速への憧れと渾然一体のものだったのではないだろうか。
カルマンギアは、そんな意味ではまだ速く走ることを目的としない原始の丸みを魅力としたデザインであり、高速走行よりもマイルドな味付けの雰囲気を楽しむクルマだろう。
アグネスラムはクルマ選びにあたっても、自分をひきたたせるビキニ同様に自分の存在にフィットしたカルマンギアを選んだのだとすると、しなやかな曲線美をつねに意識したモデル特有のセンスのよさと言ってよいのかも知れない。このカルマンギアの全体がモッコリとしたスタイルは彼女の丸みをおびた体形とも渾然一体のものに見える。
 
 

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